森奥穂高岳登山 【後篇】

Posted by countach.tv - 10月 28th, 2011

スリッパのペタペタした音で目が覚めたらまだ外は暗かった。朝の5時過ぎ。
周りに人は誰もいない。あれ、みんなは??
部屋を出てみると、廊下は行き交う人々でいっぱいだった。
顔を洗って身支度する人、
すでにパッキングを終えて今から出かける様子のおじさんグループもいる。
自分ひとりが取り残されたと思いTシャツと短パンで急いで小屋の前に出てみると、
登山客が一斉にカメラを東側に向けていた。
曇りの予報が一転、晴れの予報に変わっていたのだ。
しまった!


 

山の天気とはこんなものだろう。
富士山の時はギリギリまで晴れていたのに
朝日が登る2時間前には暴風雨で前が何も見えなくなっていた。
今回は逆のパターンで本当にラッキーだった。
しかし、これより30分前はもっと素晴らしい景色が見えたと丸谷さんから聞かされた。
下界のすべてが赤紫に焼ける凄い朝焼けだったそうだ。
起こしてくれなかったことを愚痴ると、’自己責任だね’ という暖かいお言葉。
確かに甘えていられない。山とはそういうものだ。

気を取りなおして独り朝ごはんを食べていると、
まさしく日が昇る瞬間がきたらしくここでもタイミングを逃した。
外の歓喜をよそに卵ご飯をかきこむ。山の朝ごはんは本当にウマイ!


 

 
午前6時半。軽いストレッチの後、頂上を目指して登り始める。
少し登って振り返ると穂高岳山荘が見えた。
テントもちらほら。
夜はハンパなく寒いんだろうなぁと思いながらしっかりと岩を掴む。


 

対面の山にもよく見ると人影が! 人ってどこでも登るんだなぁ〜とこれまた関心。

ここからが正念場! 慎重に。。。

 

 

 

 
シャッターを切る小松さん。
どんな写真を撮ったか今度見せてもらおう♬

 
 
登り始めて1時間後。いよいよか!?

登頂! まさかの快晴で見渡すかぎりの山並み。
くるりと周囲を見渡すと360°の絶景が目の前に広がった。 凄い!!


 

 
トンガッてるのは槍ヶ岳。
ここにも登れると途中で出会った関西のおばちゃんに教えられた。
今回、関西方面の年配の方が沢山登っていて
あちこちから関西弁が聞こえてきた。
しかしいったいこのトンガリをどう登るのか見当もつかない。。。
 

 

なんと富士山も。
頂上付近でおもいおもいの写真を撮ったところでそろそろ下山。
名残り惜しかったがまた来ればいいんだ。山は逃げない。
 
実は降りる方が怖かったりする。足を滑らせたらサヨウナラ。。。

 
穂高岳山荘を前に (左から森、小松氏、唐澤氏、丸谷氏)

下山こそ慎重に慎重に。。。

 

 
 
前日スルーした涸沢フュッテでランチ。
素晴らしい景色を眺めながらのおでんは最高だった。

 

 
 
登ってきた道を下っていく。
しかし下りがこんなにラクだったとは…
前日の登山がウソの様にみんなの足どりが軽い。
3泊目はいつもの徳澤園。
ここまで来ればもう観光気分だ。

 

 


 

上高地に全員無事にもどってこれた☆ それがなによりも嬉しい。

 
 
昨年、上高地から山頂を見上げていつかは登頂してみたいと思っていた名峰・奥穂高岳。
槍ヶ岳を始め数々の名峰が周りを取り囲む景色をみて
ここまで遠い道のりを頑張ってきて本当に良かったと思う。
一緒に登った仲間にも心から感謝したい。

初日は雨でどうなることかと思った登山も、結果的に素晴らしい体験になった。
雨に降られた初日も今にして思えば良かったと思う。
過酷な体験は忘れがたい。
けっして楽しいことばかりがいい思い出じゃないのだ。

体力的にも本当にキツくてもう山なんか登らない!
と思うのだが時間が経つとまた登りたくなってくる。
なぜか?
理由はわからない。
登山には中毒性があるのだろう。
その答えを見つけるためにもう少し山登りを続けようと思う。

さーて来年はどこの山に登ろうか。
実はもう決めている。
新宿へ向かう帰りのバスは、不思議と熟睡できた。
 

 
 
今回のルートマップ (全長18km、高低差1685m)

  

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